未婚男女の増加が少子化の原因?

Simple -憂鬱なプログラマによるオブジェクト指向な日々- さんの6月10日の日記
http://umi.no-ip.com/simple/pdone.html?id=324 が、
データ不足で結論が若干ズレている(誤解を招く)様に見えるので、密かに修正してみます。
 まずリンク先の日記で引用されているデータですが、これは「結婚持続期間15〜19年」の夫婦から採られた物なので、表で最新の第11回調査(1997)でも、対象となっているのは1982〜86年結婚の15年夫婦です。つまり、ここ10数年の出生状況の変化は、この表には反映されていません。ちなみに同じグラフは、厚生労働省サイト(http://www.mhlw.go.jp/shingi/0112/s1211-3a.html の図表4)にも載っています。
 次に、上記厚生労働省資料ページの一つ上の図表3−2に、既婚夫婦の出産動向を示す初婚率と出生率の相関グラフが載っています。夫婦が今も昔も同じ様に子供を産むのなら、初婚率と出生率は似た比率のカーブを描く筈です。しかし、グラフでは1980年代後半から、初婚率と出生率の乖離が始まっています。そしてこの間も初婚率自体は殆ど変動していません。
 つまり、出産可能年齢に達した男女のうち、結婚する人間の割合は変わっていないのに、夫婦1組から生まれる子供の数がここ10数年減少し続けているのです。この結果は最初のグラフと矛盾しません。変化は88年位から顕著になってきているので、最初のデータにも次回か次次回調査あたりで同じ傾向が現れ始める事でしょう。
 出生率低下の原因としては、晩婚化による出産可能時間の減少に加えて、夫婦の出産に関する考え方の変化があるのは自明です。しかし、この辺は国の政策でどうとでも修正出来ると自分は思っています。人の生き方なんて、システム次第で簡単に変わってしまいますからねー。