新選組! #24 「避けては通れぬ道」

 いやー今回は素晴らしかった。素晴らしく筋の通った展開に納得しました。何より局中法度の扱いを「芹沢派粛清のための単なる道具」と位置づけたのが素晴らしい。
 史実の新撰組に関しては、「武士道」を謳いながら芹沢暗殺劇では「寝込みに乗じて集団で女ごと暗殺」なんつう卑怯な振る舞いをしている所が欺瞞に満ちていて嫌いだったんですが、今回の新撰組は「もともと思想など無い、近藤の為なら手段は問わない」という開き直りっぷりが徹底していて、やっている事はともかく実に爽快でした。今後の隊内粛清も「新撰組の魂『局中法度』に違反したから処刑」では無く、「近藤の為にならないから処刑、口実としては局中法度違反」という扱いになるんでしょう。法度に縛られる過激思想集団では無く、血の通った人間集団として、そちらの扱いの方がずっと魅力的です。
 しかし史実で決まっているとは言え、新見錦の殺し方はあんまりでしたな…。新見の芹沢に対する態度も、もう少し利害を超えた思い入れを期待してたんですが意外とドライで。しかし新見が芹沢について「次は自分の番って事が何故分からん」と言ってるのに対し、芹沢は「次は自分が殺される」と正確に把握していた所、新見も正確には芹沢を理解していなかったという所でしょうか。それでも新見切腹の時の述懐は、観客から見て言って欲しい事を全部話してくれて(今後の展開を予言する台詞ほか)大満足でした。
 次回予告も期待が高まります。すっかり破滅型ダメ人間になってしまった芹沢が、最期に正気を取り戻し吐く台詞「覚悟を決めなよ近藤さん」(←不正確)に「俺の屍を超えていけ」のようなニュアンスの、芹沢トゥルーエンドの決め台詞となり得る決定的な愛の言葉が聞けそうで期待が高まります。