nikkeibpの謎連載

「環境生活のススメ 第12回 環境的に「買う」〜自然エネルギーを買う(2)」
http://biz-inno.nikkeibp.co.jp/ecolife/article20050303.shtml
日経BPメールマガジンに最近、周囲の記事から妙に浮いている連載記事が載るようになった。それがこの「環境生活のススメ」。毎回、科学的な裏付けやライター自身による調査無しに、他人からの伝聞による思い込みだけで書いている(様に見える)文章が踊っており、データ重視の経済紙の記事として異色の雰囲気を醸し出している。今回突っ込みを入れずに居られなくなった記載がこちら。

>薪ストーブのよさはCO2フリー(実質的にCO2排出がない)で暖かだというだという点だけではありません。
>今後、薪ストーブをどんどん普及させて、CO2フリーの暖房を楽しむべきだと思います。
>ペレットストーブは、薪ストーブと同様にCO2フリーで暖か。

薪ストーブが幾ら燃焼効率が良かろうと、炭化物の酸化現象である以上CO2は必ず排出されます。C+O2=CO2。薪ストーブが実質的にCO2フリーと言われる理由は、原料である薪が木として成長する過程で行う光合成により、自身が燃やされる時気体として排出されるCO2より遥かに多くのCO2を自らの体内に固定しているからです。だから木が成長して燃やされる一連のライフサイクルで見るとCO2排出がプラスマイナスゼロに見えると。元記事はこの辺の基本的な事(C+O2=CO2とか、基本以前の問題だ)を理解した上で書いている様には見えず(過去記事もこんなのばっかりだし。定量的な根拠無しに用語や結論が先行するタイプの文章)、他人から「薪ストーブはCO2フリーだよ」と聞いただけで原理やデータ調査もせず思い込みで記事を書いてる様に見えます。
 とまあこう書いておいて何ですがこの連載毎回楽しく読んでいます。いかにも嘘っぽい事が書いてあると思わず自分で調べてしまい、結果としてこの記事が切っ掛けで自分の知識が正しく強化されると言う…。ライター氏の意図とは違う形でしょうが、結果的に上手く啓蒙されている読者が多い連載なのでは無いかと思っています。